思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

セーラー服と機関銃 卒業』
☆☆★

邦画の悪い面が如実に出た映画だ。当時、「百年に一人の逸材(美少女)」と言われた橋本環奈を主役に一本撮る、というコンセプトは良かったのだが……。
高校の同級生との絡みも適当なら、ヤクザのほうも適当。ストーリーも、昔ながらのヤクザとインテリヤクザ、というC級映画にありがちな設定。
音楽も、自主製作か? というくらいチーブかつピントがずれたもの。
なんと言っても、クライマックスで主人公が銃を
ぶっぱなすカタルシスがないのが致命的。(大戦中の?)サブマシンガンなんて渋いものを持たせている意味がないやん。最後にゼロ距離からラスボスの頭を木っ端微塵にする、絶好のチャンスを透かされたので、ガッカリ感も半端じゃない。
射たないなら射たないで、最初から最後まで一発も射たない、というくらい徹底すればいいのに。無駄な発砲が2回(そのうち1回はマシンガンの連射それも当てる気なし)もあるのに……。回りが勝手に解決してくれる、という意味では、(映画『ナウシカ』をオマージュして作られている)ナディアにそっくり。
橋本環奈を綺麗に撮る、という最低限の条件も充分とは言いがたい。金子修介に監督してもらえば良かったのに……。
薬師丸ひろ子版も観たような気がするが、全く記憶にないんだよなぁ……。決め台詞「快感」もなかったし(本編にはなくて予告編だけだったっけ?)。

『「お笑い」日本語革命』松本修
☆☆☆★
新潮社

元々は関西弁なのだが、テレビ時代に全国に広まった「どんくさい」「みたいな。」「キレる」「おかん」「おとん」について、いつ、誰が発信源なのかに文献と、テレビプロデューサー、ディレクターならではの人脈で迫ったもの。
「みたいな。」については、本義である形容としての意味と、「なんちゃって」的な意味を混在、あるいは同一視している点が腑に落ちなかった。
「おかん」は文献と聞き取りの両面から迫ったもので、「おかん」は昔から大阪の下町で使われていて、ダウンタウンがテレビで広め、今も「おとん」とセットで全国的に広がりつつある。しかし、昔は「おとん」となかった、というのは意外な事実(あくまでも「お母ちゃん」に対する「お父ちゃん」か、「親父」であった)。