2017-05-29 ■ 『殺す者と殺される者』 ☆☆☆☆手記もの。冒頭の数々の断り書き(伏線?)からして、日本の真本格ミステリを読み慣れた現代の我々には、トリックじたいは簡単に予想できるだろう。 しかし、本作が巧みなのは、それをバラすタイミングと、文字通りのドンデン返し(ネタバレにつき自粛)。そして、ブラックな下げ(オチというと違う意味も帯びるので)である。 五十年代のアメリカの田舎が舞台なので、馬に乗って移動はともかく、黒人奴隷がいて、字が読めないとか、時代を感じるところ。