思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

日本教は日本を救えるか』山本七平
☆☆☆★
さくら舎

「日本人の「墓」と「霊」」明治神宮明治天皇の墓の違いから、日本人の霊に対する思想を評論したもの。ある種、『空気の研究』の変奏曲といえる。

「自由とは借金だ」キリスト教ユダヤ教を例に、全能の神とアダムとイブの原罪を解説。自由意志を神から借りた借金と例えるのはなかなかわかりやすい。

3章ほど飛ばして…。

「日本人の限定的普遍主義」教育勅語について。
“「給仕女」という言葉は「悪」で棄却さるべきものだが、それと内容は同じでも「スチュワデス」という言葉なら「善」で 歓迎さるべきものとされるのと同じように、「教育勅語」という名とその文体は棄却さるべきものだが、それと同じ内容がヨコ文字で記され「スチュワデス」に等しい何やら文化的な感じのする標題をつけられれば、最もよき指針として歓迎さるべきものとなる、ということにすぎないからである。”
確かにそうなるだろうなあ…。逆に敢えてメディアを使ってそういうキャンペーンをしてでも徳育として復活させるべきだろう。

日本教は日本を救えるか ユダヤ教・キリスト教と日本人の精神構造日本教は日本を救えるか ユダヤ教・キリスト教と日本人の精神構造
イザヤ・ベンダサン 山本七平

さくら舎 2013-01-08