思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『迷惑行為はなぜなくならないのか? 「迷惑学」から見た日本社会』北折充隆
☆☆
光文社新書

内容的には副題のほうが適当。タイトルはおそらく出版社がつけたのだろう。
学問としての「迷惑学」とは、社会学的なアンケートや調査によって、迷惑行為だと設定した行為の統計を出す。または何を迷惑行為だと感じるかのアンケートなど。
根本的な解決は、予想はしていたが、なくならない、というのが結論である。お互いが、相手の立場に立って考えてみる、というのも、接点がある関係なればこそ通用する手段である。
個人的には、根本的な解決策は、教育勅語を(大人には手遅れだとして)幼稚園から高校まで教えるしかないと思うのだが。


気分はもう戦争大友克洋矢作俊彦
☆☆☆

中ソ戦争が勃発。それに巻き込まれる、あるいは参加しようとする日本人を描く。
あるものは義勇兵だったり、あるものは小野田少尉的な残留日本軍だったり、さらには原作者と漫画家だったり(!)する。
国際謀略ものとしての土台は、原作者がカバーしているのか、しっかりはしているのが、基本はドタバタもの、というよくわからないスタンス。やたらしっかりしたコメディ映画、みたいな感じだろうか。
リアリティも簡単に人が死んでいったりするところにはあるが、ギャグとして現実にはありえない表現があったりもする。
右翼的でもあり左翼的でもある、そういう意味でもごたまぜな(よく言えば多面的な楽しみ方ができる)作品。