テレビ・新聞などの大マスコミが伝えない事実を伝える、これぞジャーナリズムという書。
引用
先日、天津を旅した。(略)ここで会った漢民族の男は(略)シノ・スイスホテルとかがあるように「シナ」が国名として定着していることを認めたうえで「ただ日本人には支那といわれたくない。見下された気分になるからだ」と。見下されるようなことばかりしているからとは考えない。
だよなあ。
被害者意識丸出し、というかたかり意識丸出しで、本当に素晴らしい国は自ずから尊敬されるものだ、という考えがないのだ。
変見自在 オバマ大統領は黒人か 新潮社 2009-08-20 |
島田壮司的本格ミステリーである。
消えるピエロの死体は定番としても、天に向けて持ち上がる車両、白い巨人、動く死体など盛りだくさん。
確かに社会派的な動機と本格ミステリー的な大技の融合、という意味に限ってはうまくまとまっていると思う。
ただ、トリックそのものは偶然の要素が多かったり、思い込みによる錯誤を誇張したものが気になる。
社会派的な面に於いては、東京裁判史観丸出しで、とても読めたものじゃない。そんなウソを元に殺人されても、たんなる電波系の独善的狂気と変わらない−−ということが分かったのは逆に収穫だったかも。
奇想、天を動かす (光文社文庫) 光文社 1993-03 |
歴史小説というより時代小説。スパルタとクセルクセスの戦いを描いているものの、たぶん史実にはあまり即してないだろうなあ…という感じがする。
キモはビジュアル。
色調のコントロールなど、直系の親は押井守監督の『Avalon』と断定できる。
マッシブを使った(?)大軍勢の描写は『ロード・オブ・ザ・リング』。
雲霞のような矢の描写は『英雄』で、王のラストはまんまパクリ。
しかし、中盤のクセルクセスとの直接会談の時に暗殺できなかったのかなあ…。素手でも倒せると思うのだが。
300〈スリーハンドレッド〉 [DVD] ワーナー・ホーム・ビデオ 2009-07-08 |