思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

風来忍法帖
☆☆☆☆★

感想続き。

ラストは、斜に構えるのが天性であった香具師たちも、凄絶、(本人たちではなく読者にとって)感動的なラストを迎える。
最後のひとりの最期は、さしずめ『七人の侍』のクライマックスにも匹敵する。
この7人というのは、終盤に再登場する太田三楽斉(秀吉に「東の竹中半部衛」と言わしめたという彼の伝記、読んでみたくなった)が犬を使うことなど、『八犬伝』も意識したかもしれない。
圧倒的な能力を持つ三人の忍者に対する七人の香具師と、元風摩のくのいち。終盤の凄絶な消耗戦は、息もつかせぬ面白さ。
週刊連載マンガなら、15巻ぶんくらいのアイデア/プロットがぶち込まれた傑作。