思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

カニバル・ブリザード 食人峠


☆☆☆

原題は『ドナー・パス』。実在する地名なのか、本作のトリック(プロット)から逆算した創作なのかは調べてないので不明。
去年公開と知っていたので、低予算ながら、フィルム撮影して、頑張ってるなぁ……と思ったら、長年日本未公開だったものを発掘したから、普通にフィルム撮影をやってた時代だっただけかも(^^;)
過去に食人事件があった場所の別荘に泊まりに行った若者が、惨劇に巻き込まれる。
若者グループの一人のおじさんの別荘にやって来た一行を、襲撃者が、ひとりまた一人と腹を割いて行く。
裂かれた腹から腸が飛び出る特殊造形とか、割と頑張っている。
真犯人は、推理は外れたが、想定の範囲内、という感じ。なおかつ、それはないんじゃない? という仕掛けも。
デート・ムービーというか、ドライブイン・シアター向きというか、見なくても全く問題ないが、見てもダメダメにはならない最低保証つき、という感じ。

以下ネタバレ

襲撃者は、実際に外部からやってくる。ここが、「閉ざされた山荘もの」ミステリーとは違うところ。山荘の持ち主は主人公たちメンバーの一員(便宜上主人公と呼ぶ)のおじさんではなく、襲撃者。襲撃者からして見れば、自分の山荘に若者が闖入してくれば、攻撃するのは正当防衛。ただし、主人公によってカニバリストになっているので、問答無用で殺人&食われる羽目になるのだ。
カニバリストになるのは、本当(?)なら、脳味噌を食べるのが筋だが、本作では、その血を飲むことで感染する。本作でも、殺人者が上からのしかかる時に、都合良く口に入るが、それこそ映画のご都合主義にしても、都合良すぎる。でもまあ、ウィルスの経口感染という意味では理にかなってはいる(^^;)
ちなみに原題の件は、峠の意味と、ウィルスの保持者が移行する(パスされてゆく)、というダブルミーニングなのかも、といういみ。