思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

パール


☆☆★

吹替版で観たが、それでちょうど良かった。観たかったのは、『ジョーカー』のように、『X』に登場したサイコキラーが、どうやって狂ったのか、という物語。
ところが、本作では、「初めての殺人」は最後の最後。しかも、何か『スターウォーズ』のアナキンのように、誰もが納得できる悲劇的な人生の結果闇堕ちしたのではなく、元から「酒鬼薔薇聖斗」ばりにおかしかった、というんだから。

以下ネタバレ

いちおう、ポイント・オブ・ノーリターン的なものは本作にもあって、それがダンスのオーディションに落ちたこと。でも、特に天才的なダンサーでもないし、努力もしていないのに自信満々で、その鼻がたたき折られても、全然同情出来ないしなぁ……。
誰もが言う、「ラストカット」は確かに凄かった。今頃帰ってきても遅すぎる、夫が復員してきたのを、笑顔で迎える、普通ならストップモーションになるカットだ。それが、同じ表情のまま、顔がピクピクしながら、延々と続く。5分あるらしい。でもこれ、表面的には『裸の銃を持つ男』のラストカットと同じだけど(^^;)