思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

呪い村436

☆☆☆☆
原題は『POPULATION 436』。人口436人という意味。
国勢調査員役のジョン・トラボルタっぽい人が主人公。この設定、実にうまいよなあ。辺鄙な田舎町を外部の人間が滞留するのに、これ以上のベストな理由はないでしょ?
のどなか田舎町をイメージさせる、軽快なバイオリンの劇伴は、低予算っぽい映画に似つかわしくない良い曲。だが、低予算ゆえか、シーンを変えても何回も流れてくるのは、低予算作品の悲しさか(^^;)
ネタバレなしで書くのが難しいが、邦題が実は内容と合っていないのだが、本作のに限っては、それが上手いミスリードになっている。

以下ネタバレ

原題には呪いとか心霊、引いてはホラー要素すらないのがポイント。冒頭の、呪いで自動車が事故ったようなミスリードからしてうまい。本作は、超常現象的なところは皆無で、カルトもの、または「ヒトコワ」ものなのだ。一番近いのが『ミッドサマー』。というか、一見、『』のようか超常現象ホラーに見せて、導入こそ違うが『ミッドサマー』そのものと言ってもいい。
序盤で出てくるピタゴラスの数理教団の話が、伏線どころか、明瞭極まるフリとなって、その意志を継ぐカルト教団が村を支配している。というか、村と教団は不可分になっているのだ。
要するに、人口436人を維持するため、出産で双子だったりして人が増えたら殺し、逃げ出そうとしたら殺し、それ以外の不可抗力で増えたら、くじ引きで殺し、その意志を見つけたら、唯一の医師の家に監禁して、ロボトミー手術を行なったりしている。しかも、カルト化しているので、祭で死ぬ人を選んでも、祝福すべきものとされている。
また、天邪鬼な私としては、主人公が恋に落ちる、脱出願望のある女が、それがバレてロボトミー手術されてしまうのも良かった(^^;)
この辺は、単なるハッピーエンドに終わらない単発ホラー作品としての良さが出た部分。