☆☆★
乾くるみ原作の『セカンド・ラブ』と間違えて、てっきり観たものだと思っていた。北川景子と中村倫也が主演。北川景子の夫かつ中村倫也の兄の役人は、見た目はシュッとしたハンサムだけど、セリフがダメダメで、どうせモデルか何かだと思ったら、なんと窪塚洋介。まあ、彼の映画はほとんど観てないから、元からヘタクソだったのか、敢えての演技なのかは判断できない。
また、北川景子も、なんか鼻につく演技。ポジション的に、ちょうど昔の小雪とか米倉涼子みたいな感じ。
それよりもなによりも好きになれないのは、ミステリーとしての構成。原作の小説とかは別なのかもしれないが、少なくとも、この映画では、『科捜研の女』なら、30分で解決できそう。容疑者のトラウマと、北川景子のトラウマを入れ込み、しかも似たような境遇にすることで、共感めいたことを入れるという構成は、サイコサスペンスでは定番の手法ではあるが、本作では完全に乖離している。作劇的には、メインプロット(殺人の真相というか、事実)とサブプロット(主人公と副主人公の心情描写)が絡み合っていない、とでも言うのだろうか。(いや別に『ほんノロ』的に言う必要は全くないんだけど)
画面のルックとして、邦画としては悪くないんだけど。
あと、個人的に、板尾が出てくると、どうしても笑けてしまうんだよなぁ(´Д`) 『ごっつええ感じ』とか『ビジュアルバム』世代としは。
以下ネタバレ
子供のときのミステリーとしては、リストカット癖のある容疑者が、その後に包丁を持って、トラウマを植え付けた父親のもとに行き、揉み合っているうちに、父親が足を滑らせて、包丁の上に倒れた、というのが真相。で、トラウマ故に、すぐに警察に通報しなかったので、無罪ではなく過失致死で懲役8年だという。
シンプルな事件を、無理矢理ねじくれた登場人物たちが意固地になることで、めんどくさく(ややのしく、ではない)しているだけの事件。
小説ならば、それっぽく心情描写ができて、テーマ的な側面も印象づけられたのだとおもうが、北川景子の目を剥くだけの演技じゃなぁ……。