思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

リーガル・マインド 裏切りの法廷


☆☆☆★

『ウルトラ・ヴァイオレット』のケイト・ベッキンセールが女弁護士を演じる。
アル中で、断酒会に通い、夫と娘とは別居されている。それでも仕事はできるので、とある女性のレイプ事件に全力で取り組むことで、良い母親をアピールしようとする。
いちおう法廷ミステリーとして、どんでん返しもあるが、テーマとしての「自己肯定」のほうが強く出過ぎている感じ。というか、邦画のようにセリフで説明しすぎ。
タイトルも原題通りなのだが、凡庸すぎて絶対に内容を忘れそうだ。
最近なにかと気になる顔の長い老人は、今回は裁判官と、やっぱりエライ人役だった。

以下ネタバレ

弁護を引き受けた被告が、ウソをついていて、実は犯人だった、というのはフェミニズムを逆手に取ったトリックで、面白くなるはずなのだが、弁護士の心情描写との二兎を追ったためか、どうにも印象に残らない。そもそも、レイプの際の証言が、たまたま読んでいた小説の文章そのままで、しかもそれを捨てずに持っているって、どんだけ都合良すぎるというか、アホな犯人だよ、って感じ。
結局、夫と娘には去られるのだが、裁判には勝つ。要は家族よりも自立が大事、っていうフェミニズム映画だったのか?? まあ自立が大事なのは男女問わずだから、たまたま女性主人公だっただけ、ともいえるが。