思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

アメリカの秘密結社ザ・スカルズ。大学でスカウトされた主人公がたどる皮肉な顛末を描く。フリーメソンとかがモデルなのか、アメリカ人なら分かるモデルがあるのか、まったくのフィクションなのか、アメリカ人の認識が気になるところ。
秘密結社を優先したための親友の死、逆に3人のうちの一人の女性とは親密な関係になる。まあ、青春の学生ものと見るべき映画か。
ただの素人女が屈強な男二人から逃げおおせるとか、映画的なフィクションも多々あるし。

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ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2003-06-27


『混沌ホテル』
☆☆☆★

コニー・ウィリスは、プロット自体は面白いのだが、いわゆるアメリカ人ならではのウィットに富んだ会話やドタバタを楽しめるかどうかで、好き嫌いが別れるのではないだろうか。いや、私が好きになれないからそう思うのだが…。
日本の作家で言えば、恩田陸みたいなイメージ。


『混沌ホテル』☆☆☆
量子論についてのイメージや、科学者に認知されるまでの紆余曲折をあるハリウッドのホテル周辺と学会に当てはめたもの。アメリカ人以外にはピンとこないのでは?

『女王様でも』☆☆★
月経(というより生理痛?)がなくなった未来から、過去を振り返ったジェンダーSF。タイトルは、女王様でも生理痛に苦しむところから。

『インサイダー疑惑』☆☆☆★
有名な交霊術師のインチキを暴く話。ミステリーと言っても過言ではないが、交霊術を現実としているかどうか、読み終えるまで分からないようになっているのが巧みなところ。

『魂はみずからの社会を選ぶ』☆★

これは詩人エミリー・ディキンスンを知らない人には全く面白くない。まだシェイクスピアがSFを書いていた、というなら読めるが…。これまたアメリカ的。

『まれびとこぞりて』☆☆☆★
これまたエイリアンが教えても学んでもいないのに英語を知っているという点と、賛美歌や聖歌隊が準主役という点において、アメリカ人ならぬ私にはどうもなあ…という話。積極的に行動しないエイリアン、という設定は面白いのだが…。

まとめると、やっぱり作者を手放しで絶賛する日本人はどうかしているのでば?(『奥様は魔女』とか西部劇とか、アメリカ文化に洗脳された団塊の世代の連中?)


万物理論
補足

訳者あとがきで、作者のミスとして、原著では男性代名詞で呼ばれる「ヤスコ・ニシデ」となっている人物を「ヤスオ・ニシデ」に修正した、とあるが、どうせなら「西田康雄」にしたほうが良かったのではないだろうか?