思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

デッド•レコグニング


『ミッション•インポッシブル デッド•レコグニング(1)』
☆☆☆

ややこしいが、『ミッション•インポッシブル7』である。いちおうシリーズ全作品観ているのだが、ストーリーは全然覚えてない(^^;) 見せ場であ?、アクションシーンの断片は覚えているんだけど。
トップガン マーヴェリック』が大傑作なので、それは超えられないにしても、肉薄するかとも期待したこともあってか、全然ダメだった。
トムが色々スタントをやってはいるんだろうけど、絶対に死なないことは分かるかので、緊張感もない。『コマンドー』のシュワちゃんみたいに、どこへ行ってもアクションやってるので、「ここぞ!」という感じで盛り上がるわけでもない。さんざん予告編で観た、バイクに乗ったままの崖ダイブも、ストーリー的にそこまでの必然性がない(なんで列車に乗るのにそんなことする必要があるの??)ので、「大スターがダイビングしてる」以上の驚きはなかった。
空港での爆弾についてのくだりは、「なんでクイズ? しかも音声認識!?」という感じだったし。本作中、もっともカットすべきプロットである。
物語の設定は、非常に押井守の『攻殻機動隊』シリーズっぽい感じ。
過去作に出てきたキャラは、チームの黒人とサイモン•ペッグくらいしか覚えていなかったので、因縁のありそうな女性キャラと話してても、モヤモヤしっぱなし(^^;) さらに、鍵を巡って、三つ巴、それ以上の思惑が交錯するので、腹の探り合いとか、余計なところで頭を使う。本来は、このへんこそがスパイ映画の本道なんだろうけど。
個人的に、物語として一番気になったのが、本作のハント•ガール。なんで再会したカノジョがいるのに、それが途中退場したとはいえ、彼女を死ぬ気で守るのか、さっぱり理解できない。だって、最初の空港でのミッションを邪魔して、引っ掻き回した元凶でしょ? まるでよく他の映画とかにも出てくるいたずら好きなガキ(男女問わず)みたい。疫病神扱いしこそすれ、本来の意味で彼女にこだわる意味がわからない。単に、イーサン•ハントが、ルパン三世みたいに、惚れっぽいキャラ、というだけ?
アクションは、それこそまるで『ルパン三世』みたいな、ローマ市街のカーチェイスが、バカバカしすぎて、楽しかった。その前の車で、わざわざ両方のドアを壊して取るとか、とにかく遭遇するブツは使い倒さないと気が済まないのか(^^;)
敵の用心棒役の女は、まるで、菊地凛子がお笑い芸人のゴージャスのコスプレしてるみたいに見えて、金髪だけど、多分元は黒髪じゃない? という顔立ちだし、終始、無理してるなぁ、という感じ。『ラッシュアワー2』のチャン•ツィイーみたいな役割なんだろうけど、迫力不足かなぁ。
あと、「エタニティ」を「それ」と訳している戸田奈津子翻訳よ! いい加減引退してもらったら?(´Д`) ディスプレイのビジュアルは、『ロード•オブ•ザ・リング』のサウロンからのモチーフだわなぁ。

以下ネタバレ

前編だし、何の鍵かは、冒頭で全員が知っているんだから、ネタバレも何もないはなぁ……。それこそ、冒頭の潜水艦のシーンは、第2部の冒頭にこそ入れるべきなんじゃないの?
オリエント急行の列車内を全て活かすために、まさか1両ずつ落下しそうになるところを登っていくなんてアホなことやってるから、2時間45分なんて長尺になるんだよ! 列車内だけで終始する低予算映画ならともかく、世界を転々とする超大作なのに。