思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ファイアーフォックス
☆☆★
『ステルス』みたいな映画かと思っていたら、意表をつくイーストウッド主演のスパイもの。凄腕のパイロットが、ソ連に潜入してファイアーフォックスというステルス機を奪う、というミッション。
スパイパートは可もなく不可もなく。
ファイアーフォックスは、実物大セットもあるが、アクションシーンは全て特撮。空撮した実景色にミニチュアを合成した、80年代テレビ特撮みたいな画面。今見るにはちょっと辛い。ただ、メカフェチ的には、『沈黙の艦隊』がオマージュしたであろう、潜水艦が流氷(凍った海面)を突き破って浮上するシーンに燃えた。
最大の問題は「ロシア語で考えるんだ」と言いつつ、ソ連サイドを含めて全編英語なこと(^_^;) 演出が根本から間違ってるやん。


アポカリプト
☆☆☆★
そこまで面白いかなぁ……。『マッドマックス 怒りのデスロード』『ランボー 最後の戦場』『プラトーン』なんかをひっくるめた映画。中米という馴染みのない舞台ゆえ、主人公に感情移入しづらいのが難点。捕らわれた主人公が、生き別れた妻子の元に戻る、というシンプルなストーリー。普通は妻子を取り戻すもんだけど、何故か逆なのだ。
見所は、敵の本拠地に連れて行かれてからの、生贄の山。生首が棒に刺さり、ピラミッドの上では心臓が抉り出され、切り落とされた首がボールみたいに階段から転がり落ちる。ゴア描写の極みと言える(@_@;)
狙いとしては『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』でのゴブリン達の地下工場と同じ邪悪さの表現なのだが、テイストの違いが興味深い。
そこから先は、文字通りのマンハントもの。予告編からは、主人公がジャガーとともに敵を追うのかと思わせて、中身はまるで逆なのが面白い(のか、詐欺なのか)。
ラストはちょっと都合よすぎる、あっさりしすぎかな…。布教船が到着したところでラストカットで良かったのに、主人公達のその後が描かれるのは蛇足。欧米社会かキリスト教会かどっかに配慮したとしか思えない。



『独捜!』
霞流一
☆☆☆
山田正紀みたいなタイトルだが、「!」がつくと、とたんに『情断!』みたいでいきなり最悪なセンスに堕してしまうのはいかがなものか……( ´Д`)
警察ものだが、はみ出しものたちの物語、ということで、『パトレイバー』それもマンガ版のオマージュになっているのだ。どうみても警察官らしくない言動はもちろんだが、「ターゲット、ロックオン」とか「頭がスポンジ」なんてオマージュがあるくらい。
公園にガラクタがロープなど結ばれたオブジェクが連続して発生する愉快犯事件から始まる。てっきり短編集かと勘違いするくらいゆるい謎で、まあ、ライトミステリーと言っていい。
ところで「優しい街並み」って何なのよ?( ´Д`)