思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

007ノータイム•トゥ•ダイ


☆☆☆★

まず、オープニングでタイトルを入れ込んだ歌詞(字幕)が出るので勘違いしていたことが分かった。タイトルの訳は、007だし、てっきり「死んでるヒマはねぇ!」(って書くと『魔術師オーフェン』みたい)だとばかり、普通に本気で思ってたのに、「今は死ぬ時ではない」だったのね(^^;)
何を書いてもネタバレ系の作品なので、ざっくり感想を。本作は、『007』に愛着がない私からすると、『ミッション•インポッシブル』と『キングスマン』を合わせたようか、今時のふつうのスパイ映画になってたなぁ、という感じ。ヘリからの俯瞰での車の撮影とか、撮影(ルック)は美しいし。損はしないが、2時間半は長すぎる。

以下ネタバレ

最初の古い郊外の街中(山上の城塞都市?)でのカーチェイスは良かった。ボンドにくっついてる女は誰? となったが、本作のボンドガールではなく、前作からのからの関係がまだ続いている、ということらしい。見終わってから、感想動画とか観て知ったが、5年も明けるからこういうことになるんだよ!(´Д`) 『ガンダムUC』とか、『ガルパン劇場版』みたいに、シリーズ完結編なんだから、3分で分かるあらすじをつけて欲しいところだ。そら、忘れるほうが悪い、と言われりゃ、それまでだけど。
キューバ編は、本作最大の問題。良いところは、本作のボンドガール。初めてのミッションで緊張している、というから、てっきりドジっ子かと思いきや、戦闘が始まると、ばっちりアクションするし、途中で酒を飲む余裕まで。となると、じゃああの緊張演出はなんだっんだよ?! となる。つい、可愛いから許す、となるけど(^^;)
悪の組織スペクターの幹部が細菌兵器(ナノマシンだけど)で一網打尽になる。組織内の下剋上なんだけど、ちょっと白けるよなあ。下剋上したキャラに、そこまで悪の魅力があるわけでもないし。
引退していたボンドが復帰すると、黒人女性が007のポジションについている。これ、パロディマンガとか、お笑いコントやで(´Д`) ボンドに負けず劣らず有能な描写がないし。
本作はこれに代表されるように、ポリコレ押しが酷い。『サンダーバード』のブレインズに当たるQがゲイであるという描写もそうだし。
ラストバトルとなる敵の秘密基地が、なんと以前あった北朝鮮でもロシアでもなく、北方領土の四島でもなく、千島列島。マニアックというか、なんというか。確かに、無人島も多そうだけど。敵の日本好きという趣向と、重なってるんだかいないんだか、地政学を知ってると余計に混乱する(@_@)

さらにネタバレ

ラストでボンドが死ぬ、というのはネタバレ食らっていたので、驚かなったというより、シリーズに愛着がないので、本作をもって主演俳優の交代なんだから、つまり最近の流行りで言えばマルチバース、『007バース』なら、ボンドが死んだ世界線だって当然あり、だろうと思うのだ。
比較の対象として挙げている人が意外にもいなかったが、ゴジラシリーズと比べてみよ。むしろ、比べ物にならないくらい、主役像が幅広いではないか。そして、その代表が、ゴジラが死んで終わる『VSデストロイヤ』である。こっちは、宣伝やポスターで、大々的ネタバレさせてたからね。余談ながら、今思えば、『デストロイヤ』で、ゴジラが死ぬことを隠して宣伝してたら、3倍くらいは集客できてたんじゃいかなぁ……。
ボンドは、ミサイルが雨霰と降り注ぐ中で、ホワイトアウトしたわけだが、身体が四散する、みたいな描写はない。何せ、本作の序盤では、目の前の破壊が吹っ飛んだのに、煤がついただけ、という「ドリフかよ!?」という不死身っぷりを前振りしてたからなぁ……。こういうラストにするなら、こういう描写はダメでしょ。