思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

レミニセンス

☆☆★

本作のヒロインって、どこかで見たなぁ……と思って、見終わるまで名前も思い出せず、のちにレベッカファーガソンといえ名前を知っても、何に出ていたか思い出せない(^^;) ヒュー•ジャックマン主演。(追記 ヴィルヌーヴ版『デューン』の美人ママさんでした(^^;))
水に浸かって、脳に簡単なヘッドギアをつけることで、過去の記憶を客観視点で見ることかできる。『ザ・セル』『サイコダイバー』などを代表に、ありがちな設定ではあるが、『インセプション』かいちばん近い。
これまた後から知ったが、本作はノーランの奥さんの初監督作品だとか。それを知って暴論するなら、本作は、『インセプション』を女々しく劣化コピーしたものである。
インセプション』では主人公は、失った妻の面影を精神的に追いつつも、現実的には、現在のミッションに専念する。ところが本作では一目惚れした依頼人にぞっこんで、職場におしかける、デートする、キスするなど、直接的なアプローチが満載なのだ。それも、ビジネスパートナーであるバツイチ黒人女性の諫言を無視して、現実逃避して文字通り過去の記憶の世界に入り浸っている(ドリーム•マシンは水に浸かって体験する仕様だからね)しまつ(´Д`)
これも他の人が評論していたが、本作はいわやるハードボイルドもの。つまりアメリカの私立探偵が事件に巻き込まれる顛末を、近未来に置き換えただけ。『ブレードランナー』よりも古典的なのだ。
ストーリーだけなら、別に見なくてもいいのだが、水没しかかっている街並みは、『デイ•アフター•トゥモロー』の中盤みたいで、ちょっと面白く、中でも、レールが半ば水没しているところを、電車が走っている描写は、(現実的にはあり得ないのは百も承知)『銀河鉄道999』にも通じるロマンチックな美しさがあった。
後は、『ピアノ•レッスン』とか『シェイプ•オブ•ウォーター』とかのオマージュがあったり、記憶の立体テレビは二次元スクリーンやスモークではなく、透明な糸を円形に並べた現代アートみたいなところに投影するとか、ビジュアル的には見どころがあったので、評価は☆☆ではなく☆☆★にした。