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YouTubeの公式無料映画。サムネには「美しすぎるヴァンパイアハンター」とかなんとか書いてたが、二重におかしい。
まず、主人公の男女は、別に不細工とは言わないが、そこまで美男美女とは感じなかった。アン•ハサウェイかジェニファー•コネリーみたいでは可愛い系ではあったが。それは私的な感覚なのでいいとしても、主人公たちは、いわゆる闇の勢力全般と戦う人ならざる者たち。その闇のモンスターは、作中では「妖魔」と訳されていた。原題は違うが、まさしく邦題通りの内容で、決してヴァンパイア•ハンターではない。
本作は、『アンダーワールド』に『ハリポタ』風味を足した感じ。
『ハリポタ』とかならお馴染みのメンター的な存在の老人ホッジが全然頼りにならないのがなんとも。敵に呪いをかけられたから外に出られない、と自他共に言っているが、観客(私)が思い、最後には作中で敵からも「呪いではない」と言われているように、単に敵にビビって外出恐怖症、というヘナチョコぶり。これがいちばん引っかかったかな(^^;)
人間ドラマ的には、主人公を好きな『ナディア』のジャン的な男と闇狩師の若きリーダーとの三角関係に加えて、リーダーには、彼を思うゲイがいたりする、四角関係。ま、物語は聖杯(恩賜の盃)と主人公の母親を探すのが主軸なんだけど。主人公の母親が実は強力な魔法を使えたりと、『美夕』みたいな位置関係。
終盤でようやく(たまたま)見つけた母親が、おばさんなのに、白雪姫みたいに眠ってるのもなんか笑える。しかも映画が終わっても目が覚めてないし、そもそも誰もキスしてもくれない(^^;)
洋画なのに、YouTube無料公開すらいだから、午後のロードショー的なC級映画なのかと思って流し観していたのだが、中盤以降は俄然面白くなった。
ケルベロスが、クリーチャー形態に変身したり、そいつを一度ガス爆破で倒したと思わせて、普通に完全再生したり、瞠目する部分もあるにはあったが、前半はだいぶかったるかったのに。
クライマックスのソードバトルはスピーディーかつシャープで、アクション映画ファンも納得のレベルじゃないの?
どうでもいい主人公たちの四角関係は、終盤でゲイが死亡し、リーダーのほうは、『スターウォーズ』よろしく主人公の兄であることが分かったり(^^;)する。そのくせ(ネタバレだが)ラストでも、主人公を好きだったジャン(的な立ち位置のキャラ)はスルーして、リーダーと闇の世界での戦いに身を投じることになる。
クライマックスには、町中にいる狼男たちが車で集まってきたりと、『ヴァンパイアなんとか(一年前くらいにみたやつ)』アメリカの田舎を舞台にしたファンタジー映画によくありそうな展開もあったり。
魔法の表現も、扉の覗き窓にあたる部分の空中に文字を書いたら、扉を開けても文字が空中に残っていたり、適当に床に剣を何本も刺していると思わせて、上から見ると六芒星になっていたり、結構面白い表現も多い。
とにかく、面白い秀作とまでは言えないかもしれないが、観て「つまらなかった」とはならない佳作だった。