思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

スティング


☆☆☆★

事前知識ほとんどなく観た。
まずは、オープニングに驚く。このテーマ曲、テレビを見たことがある人なら、誰もが一度は聴いたことがあるのではないだろうか。
逆に、『ファンタジア2000』の『ラプソディ・イン・ブルー』のような既成曲を(タランティーノのように)二次利用したのだと思ったら、どうもこの映画の曲がオリジナルで、あまりにポップなので、二次利用されまくった、という感じのようだ。
これに限らず、本作のサントラは、まるでチャップリンの映画のような、つまりサイレント映画のような軽いというか、コメディというか、マフィアを罠に嵌めて金をくすねよう、というケイパーものとは乖離したもの。少なくとも、21世紀の現在、同じ内容で映画を作るなら、劇伴はほとんどないから地味なものになるだろう。『悪の法則』みたいな。
明確に「第○幕」みたいな構成になっているなど、舞台劇の要素も大きい。とぼけた劇伴とかも併せて、時代性の影響よりも、演劇的な作りなのだろう。
マフィアのボスを騙すために、庶民(?)が一致団結して計画を立てて、場外競馬場まで作ってしまう、というのは、凄い・痛快と見るか、荒唐無稽と見るか……。ただ、先に出たキーワードとして、舞台演劇だとして考えれば、娯楽作品として楽しめるだろう。
終盤には、刑事に加えて、そことFBIの対立や、主人公を拉致して司法取引的な事をもちかけたり、する。ややこしい陰謀劇になるかと思いきや、逆にそんなの全くいらなかったやん!? というくらい原始的などんでん返し(というか、単なるミスリード的展開)で終わる。凝ってるんだか、昔の映画だから素朴なのか、よくわからん(´Д`) 同じ昔の洋画なら、『テキサスの五人の仲間』のほうが、よほどどんでん返しがうまかったなぁ……。
本作は、当時のオールスター映画らしいが、当然、私は誰も知らないわけで、ふつうのおっさんおばさんが右へ行ったり左へ行ったりするだけ。特に女性陣に美人がいないのはここまでのオールスターものでは珍しいかも(^^;)
ちなみに、スティングとは、章題の字幕から推測するに、「蜂の一と刺し」、つまり、マフィアの親分に一矢報いる、一泡吹かせる、みたいな意味か。