思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ダーク・スター
☆☆☆★

格好いいタイトル(頭悪い感想だが)に惹かれて観てみた。ところが、暗黒物質とか暗黒星雲(もしかして当時は時代的に、まだそんな概念は発見/提唱されてなかった可能性も)とは無関係。宇宙船の名前に過ぎない。しかも白い(これも『2001年』)宇宙船の横にデカデカと書かれているのだ。また、形とも相まって、ボートくらいの大きさにしか見えない。とても遠宇宙船探査船には見えないよなぁ……。
明らかに古くさい画面だが、宇宙での影の側は真っ黒で、『2001年』後なのは確実で、『スターウォーズ』前後か。
ストーリーそのものは、50年代SF短編。『2001年』のハルみたいな、コンピュータの反乱を描いたもの。
宇宙船の描写そのものは、現在ではSF的には新味、見るべきものはない。操縦席でタバコを吸っていたり、休憩室に裸のピンナップをペタペタ貼っていたり、第二次大戦のノリそのもの。
内容をひとことで言えば、人工知能を持つ宇宙船の、人工知能を持つミサイル(金の無駄遣い!)が反乱する、というもの。要するに『2001年』の二匹目のドジョウ。ただし、ラストは元ネタとは真逆とも言える能天気なもの。漂流した主人公が、近くにあった惑星へ、宇宙船の破片でサーフィンして降下する、という『博士の異常な愛情』をしのぐアホらしさ( ´Д`)
冷凍された船長という、SFっぽいガジェットには「おっ!」と思わされた。もうひとつは、直方体のミサイル。宇宙用ならではの秀逸なデザイン……と思ったのだが、改めて考えてみると、モノリスをアレンジしただけかもしれないなぁ……。
古さと御約束が相まって、ストーリーそのものには何の面白さもなかったが、興味深いポイントは、ディテールだけ。