思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『賭博打ち』☆☆☆★

情報ゼロで観た。鶴田浩二って、松方弘樹みたい、という感じで親しみやすかった(^_^;) ヤクザというにはちょっと頼りない感じだけど。少なくとも高倉健主演映画よりは観やすかった。
庶民(素人)代表みたいな感じで山城新伍が出ているが、サングラスのイメージしかないので、違和感があったなぁ(^_^;)
物語的に見れば、女郎屋を営む山城新伍が、博打で負けた借金の方に店を取られそうになる。それを救ったのが鶴田浩二とその弟分。鶴田浩二たちは女郎屋の娘たちと良い仲になり、彼女らがヤクザ黒田組によって店を取られた挙句、上海に売り飛ばされそうになるので、鶴田浩二たちも本気で博打によって金を稼いで取り戻そう、という気になる。
でもこれ、山城新伍が自分の賭けグルイのせいで女房を死なす(店を取られたショックで自殺)は、鶴田浩二は指を詰めるわ、弟分は殺されるわ。因果応報的に言えば、諸悪の根源たる山城新伍が総取りという、実に都合の良い映画なのだ(´д`)
最初から最後まで、博打のルールは全く教えてくれないので、知らない人には洋画のポーカーもの以上にさっぱりわからないが、まあ買ったか負けたかだけわかればいいので問題ない。そもそも、博打の親の方も、胸元に札を入れてから服紗にに包むなんて、イカサマを前提にしているようにしか見えないのだが・・・。それでも、鶴田浩二が天才的に勝ちまくるので、そういうわけでもないのかな??
金のやり取りが400円とか600円とかで店を取られるとか女郎の見受けとか言ってるので、時代設定が分からなかったのだが、ラストに機関車が出てきたり、車中に軍服を来た客がいたので、戦前??
演出としては、博打のラストバトルで、親と鶴田浩二の顔が交互にクロスフェードするあたりの緊迫感が良かった。後、ラストバトルの時に鶴田浩二の歌が挿入歌で流れるのは、「お前が歌うんかいっ!?」とツッコミを入れたくなった。『ごろつき』でもそうだった気がするが、当時の流行だったのか?
演技としては、鶴田浩二が指を詰める時、その後が実にいたそうで、上手いなぁと感心した。
後は、女郎の一人がチャン・ツィイーに似てたとか(^_^;)

1967年 日本