思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

幽霊島の掟


☆★

東映傑作時代劇シリーズは外れなしかと思ってたのに、これはハズレだった。
大川橋蔵美空ひばり松方弘樹北大路欣也、というスター映画。
主人公は侍なのに、客船に乗って降りると、西洋風の島なのだ。黒塗りの日本人とかも出てくるが、南海の孤島、とかいうわけでもなく、それなりの町並はある。
白人もひとりだけ登場する。
まじめに考証するなら、琉球か小笠原とかになるのかもしれないが、まあ無駄無駄(^^;)
要するに本作はサムライが西洋社会で大暴れする、『サムライ・ミーツ・ウエスト』(だっけ?)をやりたかっただけだろう。
じゃあ主人公は拳銃相手に日本刀一本で立ち向かうかと思いきや、しっかり二丁拳銃を懐に入れていて、最後は西部劇まんまに物陰から撃ち合いしたりする。
本作では、もう一人の主人公とも言える松方弘樹がキツくて、見てられない。ヤンチャな若者、という感じは、『ウエストサイド物語』的な感じで、セリフ回しは「何だこれ?」と違和感バリバリだったが、途中で「これ、江戸の町人言葉やん!?」と気づいた。
北大路欣也も、第三の主役という感じの役どころだが、勝新太郎の時も同じく、顔も体も細すぎて、中盤くらいまでわからなかった(^^;)
美空ひばりが出るんだから、歌う場面は絶対あるだろうと思ってはいたが、意外にもというべきか、中判まで出てこない。後はラスト。演技は、うまいんだか上手くないんだか分からん(下手ではないのは分かるけど)。
西洋風といえより、地中海か香港映画みたいな街中のセットや、酒場での踊り子のシーンに金はかかったんだろうな、という気はするが、それだけ。
特に見るべきものはなかったなぁ。