思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

さよならテレビ


☆☆

東海テレビが制作した、東海テレビ報道部を取材したドキュメンタリー映画
結論から言うと、期待ハズレ。ちょっとネットを調べれば出てくるテレビ業界の問題について、ほとんど取材も、主張もなされていない。あるのは、古臭い「権力の監視」という即面くらいだ。この点についても、当時マスコミがさわいた、いわゆる共謀罪について触れているが、左翼的に偏った、ジスイズマスコミ、という展開(´Д`)
それに加えて、許せないのが、製作者が半笑いで作っているような、観客をミスリードするような構成・編集をしていることを敢えてバラすようなラストだ。こういうあざとさは、『A』(森達也監督の唖の作曲家を撮ったドキュメンタリー)を連想した。
映画・映像作品として、編集がうまいので、見ている間は、それなりに引き込まれるものがあるのは認めるが。
言いたいことは山ほどあるが、取材開始時に報道部内から意見があったように、テレビ業界といいながら、他局は無視だし、取材・密着しているのも現場の人間たち3人のみ。いわゆる報道部の上司や、局の偉い人には全く踏み込まない。出てくるには出てくるが、新年の挨拶とか、その程度で、あくまでも現場の目線からみたトップ像であり、そんなものは普通にテレビを見ていても分かる。
取材対象は、主に3人。テレビキャスター福島氏と、派遣社員が2人だ。派遣社員は、ベテランと、ちょうど働き方改革で残業削減のために補充された若手。最後の若手が、いつとニヤニヤ笑いを浮かべている、見るからにオタクで、頼りない。実際にミスも連発する。その場面は撮るくせに、彼を面接したり、採用を決めるシーンはないのだ。おまけに、彼の部屋にまで行って、推しアイドル写真や、ライブハウスでアイドルを応援しているところまで撮るのだ。これが悪意じゃなくて何なのだ?
ちなみに、ベテラン派遣社員は、旧友と飲んでジャーナリズム論を戦わせている場面がある。
キャスター福島氏だけは、家族がいるらからか分からないが、プライベートのシーンはない。