☆☆☆★
どうも時期的にも『かくて神風はふく』と似たような国策映画らしい。でも、本作ではそこまでの教育的指導っぽさは感じなかった。
まず、映像がボケていると言っても過言ではない30年代の映画に比べると、とりあえず普通に観られる映像であることだけでも嬉しくなる(^^;)
内容的に、当然信玄も謙信も出てくるのだが、主役は兵站を担う下級武士、というか百姓? 荷駄馬車を担当する。馬車が転落して、荷物よりも馬が死んだことに嘆き悲しむ、というシーンも。
最初に、軍の近くに倒れていた女を助ける。出身地を偽っていたりとか、絶対に敵の信玄側のスパイだと思ったのに、関係なかった。なんやそれ。顔は椿鬼奴だったけど。
本作は、ひとことで言えば後方部隊を主役にした戦争映画。合戦が始まったら、荷をほどいて矢の束を兵士に渡したりする。
ちゃんと軍団の進軍シーンや、信玄と謙信の切り結ぶ場面もあるのだが、特に後者など、「川中島だから、ないと怒られる場面だから、一応入れときました」的な感じも。
部隊配置を全部隊長を揃えていちいち読み上げるとか、深読みするなら、一般国民に向けて「君たちが兵士として戦場に行ったら、こんな感じですよ」という軍隊、戦争の現場の空気を伝える意図があったのかな? とも思える。
1941年 日本