思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ローン・サバイバー』

☆☆☆★

アメリカの最強部隊ネイビー・シールズが、悲惨な目に遭う実話ベース映画。
タリバンの有力指導者を偵察に潜入した4人が、瀕死の一人を残して全滅する。これは冒頭に出てくるので、ネタバレではない。
オープニングでは、実際の訓練映像が使われている。これを見ると、文字通り極限まで、仮死状態くらいまで心身を追い込む訓練を潜り抜けた兵士たちだから、どんなミッションでもクリアできるだろうと思わせる。
実際、敵地で四面楚歌の中、一瞬の、捨て身での通信確保や、そこそこの、時間生き延びたは、身体能力の高さ故か。崖から転げ落ちるとか、普通ならそれだけで死んでるだろう(@_@)
本作は、敵は1、2発で倒れるが主人公サイドは撃たれてもなかなか死なないという映画的な御都合主義はあるものの、基本はリアル志向。傷はつくし血も流れる。自分で刺さってたあれこれをえぐり出すとか、痛い描写がまずまずある。
ただし、敵地から、ただ1人生還するという、良くも悪くもフィクションとしてはありがちなプロットな上に、冒頭に結末を先見せしている構成なので、観客に「これからどうなるんだろう? 主人公たちは生き延びることができるか?」というハラハラドキドキがないのは致命的な失敗じゃないの?
どちらも事実ベースなので、比較するものでもないかもしれないが、米軍が友軍の大ピンチを救い出すという『ブラックホーク・ダウン』の方が好みかな。
ミリオタ、CGファンとしとは、中盤にアパッチの援護を待てずに出動した、救出部隊を乗せた輸送ヘリ・チヌーク(?)が、案の定、着陸寸前にRPGに撃墜される場面。一気に爆発するでも、スピンしながら墜落でもない。後部扉を開けた状態から、後ろから入ったミサイルが機首部分で炸裂し、胴体が前後に真っ二つになりながら爆発する、リアリティと爆発の演技の両立に震えた。