帯には三者三様、ほぼ最大級の賛辞が並ぶし、香典代わりに（失礼）買った。が、スラッシャー的な面白さは充分だったものの、本格ミステリ的な驚きはなかった。いや、ツイスト自体の大技っぷりは認めるが、某映画みたいだし、清涼院流水系のラノベ作家のミステリーみたい(´Д｀)
日本の大都市（少なくとも、東京、横浜以外の日本国民にとってはそういうイメージじゃない？）なのに、治安が悪くて嫌いな街コンプレックスがベース。関西で言えば、昔の尼崎とか、西成みたいな感じ？
その中と外で展開するので、トリック臭いのは、ミステリー読みなら感じるとは思うが……。
結果としては、大技ではあるが、驚天動地、という感じはしなかった。それはないやろ……という。そこまでする意味がない、というか。
以下、ネタバレ
ゲーム的な、リアリティのない設定は、新本格ではよくある。本作もそのていで言えばありなんだろうが、ちょっと感化できない問題がある。
殺人鬼が主人公に殺される前のセリフが、真相を知ってから振り返ると、死の間際に言うには、そこまで徹底する意味がないのが、ドラマ的に最もひっかかった部分。
愛に関するどんでん返しは、伏線の貼り方がうまく、爽やかに騙された。
