☆☆☆★
いわゆる『スパイダーマン』の悪役を主役にしたスピンオフ映画。
主人公は、いかにまアメリカン・マッチョで、なおかつよく見るタイプだなぁ……と思いつつ、最後まで思い出せなかった。後で知ったが、『マッドマックス４』の主役の人だった。
対するヒロインは、髪型と私学の制服みたいな服装も相まって、とっちゃん坊やの女性版（なんて言うんだろう？ そんな表現あるんかいな？）みたいで、恋愛映画的な楽しみは１ミリもなかったなぁ。ヴェノムにキスしたら元恋人だった、ってのも都合良すぎない？ エイリアンじたいが恋人でヴェノムにキスしたが、変身を解いたらおばあさん、とかなら笑えるけど。
エイリアンの表現は、流体の磁性体のもつスピーディーね自在な変形と、粘菌の移動時に根っこのように触手を伸ばすのを合わせた感じ。これはSF的に見ても、ハードSF系の映画としてはトップクラスにセンス……。オブ・ワンダーを感じる素晴らしいもの。
ただ、攻撃方法がスパイダーマンの腕が何本もあるやつみたい（ユニバーサルスタジオのザ・ライドに出てきたやつ）で、独自色は薄かったかな。
悪役というより本作ではダークヒーローだから、人間を食うのはいいとして、それが不問にされているのが、よく言えば巧妙だが、わたしみたいな天邪鬼からみれば、卑怯。頭を食われた人間の死体は見せないし、殺された人の人間性の描写もない。ただ仕事で警備している人を何にもを殺して、何のお咎めもないのはどうなの？？
