思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

地球が静止する日

☆☆☆★

原作は未読なので、この映画だけの感想だが、『2001年』から続く宇宙人侵略もの。
リメイク元の映画のスチールとかのイメージでは、本作のメインビジュアルは、全身金属で、顔に一本スリットが入った宇宙人だろう。本作のそれは、どう見てもペプシマンの亜流(´Д`) 全体のルックとして、CGレンダリングが甘く、ロシア映画みたいなこともあって、これだけでも本作の印象を悪くしている。
人間ドラマパートだけなら、『マトリックス』のエージェント・スミス役を逆にキアヌが演じたみたいなことろも面白いのに、少々残念なところ。
ドラマで言えば、主人公の女性が、子持ち軍人と再婚して、その夫は戦死している、シングルマザー。そのせいで子供とはギクシャクしている……。なんでこんなポリコレ対策丸出しのめんどくさい設定にしたのかよく分からん(´Д`) そのせいで、子供に対するイライラが終始あって、私の評価を下げる。
この映画、比較的あっさり人が死ぬのだが(それ自体はSFまたはディザスター映画として好評価)、主人公や子供はしぶとく生き残る。トドメにラストでは、せっかく(?)死にかけた子供を、キアヌが超能力で生き返らせたりするのだ。
テーマとしても、「人類は環境破壊を続けるので、地球環境のために全滅させる」という環境テロリストみたいなもので、ストーリーも「でも、人類は変われる、ということを宇宙人が付き合った、たった一つの事例から改心する」という、これまたありきたり過ぎる結末(´Д`)
純粋にSF的な観点からすると、エイリアン側が、モノリス的な球体(終盤には、文字通り、地球の生物系を乗せる方舟であることも分かる)、散兵たる一つ目巨人、人類の身体を乗っ取ったキアヌ、そして実際に文明を破壊するナノマシン的な昆虫タイプ、と色々ありすぎて散漫になっている。もしかすると、原作ではエイリアン側のシステム(系)として細かい描写があるのかもしれないが……。