思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『アポロ11号 完全版』☆☆☆☆

どんな映画だったっけ? と思ったら、予告編を観た記憶を思い出した。これまたドキュメンタリー。アポロ11号の打ち上げから、帰還までを映した記録映画だ。
単なる記録ではなく、管制室の様子や、打ち上げを湾の対岸から見に集まった群衆までを映した、ドキュメンタリー映画と言って過言ではない。実際に別のカメラマン(当然フィルムカメラ!)が映り込んでいるカットもあり、当初から後世へ映画として残すことまで念頭においた映画のプロカメラマンに頼んだのではないだろうか。
打ち上げは1969年で、今から約40年前。それなのに、リマスターしたのだろうが、空の青さや、発射タワーの朱色っぽい赤など、実に鮮烈。十分に美術的鑑賞に値する美しさだ。
内容的には科学・宇宙ファンなので知っていることばかりだが、改めて通して観ることとで、その大変さや、臨場感を知ることができる。特に、月着陸前後の謎の警報が鳴りながら、地上クルーがそれを敢えてスルーするよう指示して着地、そこから淡々と準備しての月への第一歩、調査機器の設置などは、本作を観る価値のある部分だろう。
改めて通してみれば、『アポロ13』で観た場面の連続。NASAのフィルムを使えなかったからこそミニチュアや特撮を駆使して作った『アポロ13』が、本作の元になった記録フィルムを徹底的に研究して再現に成功したものであることがよくわかった。
本作では劇伴があったり、「発射まであと何時間何分何秒」という英語スーパーが入るが、いくら劇場前提でも小さすぎ(^_^;) 字幕版で見たから、それのデータも字幕としての大きさで出たから分かったものの、逆にアメリカ人は気づかないんじゃないか? というレベル。