思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『エリザベス・エクスペリメント』

☆☆☆☆
原題は『エリザベス・ハーベスト』。その意味は、ネタバレというか、中盤に事態の真相が明らかになった時に分かる。
すぐに連想したのは『エクス・マキナ』。閉鎖状況も同じだが、テーマ的にもほぼ同じ。
あとは、映像がカラフルかつスタイリッシュで、観るに耐えるもの。事後のレビューで、デ・パルマっぽいとの記事を読んで、なるほどと思った。
そこまで美人ではないが、女性二人も美しく撮られており、基本的に画面全てが美しい。
登場人物たちのばかしあいは、スリリングというより、途中でどうでもよくなったが……。

以下、ネタバレ。

タイトルの意味は、エリザベスがクローンで6人作られたから、エリザベスがいっぱい、という意味と、精神的に豊かになった、という意味か。単なる映画的な設定ではなく、実際にクローン人間が出来た時の問題をハードSF的に描いている側面もある。
エリザベスの謎は、早めに分かる(演出として明かすのと、予想できるのと)が、驚いたのはオリバーもヘンリーのクローンだった、ということ。これも単なるどんでん返しではなく、自分の若いクローンに妻のクローンを託す、という、意味がしっかり通っているのが良い。