『黒面の狐』に続く、物理(もとろい)波矢多シリーズ第2弾。
前作が炭鉱を舞台にしていたのに対し、本作では灯台守。そういえば、探偵役が職業を転々とするシリーズものミステリーがあったなぁ……。何だっけ?(^^;)
なんと言っても、灯台守なる職業がある、ということすら知らなかった。その仕事の大変さを知ることができるだけでも、本作を読んだ価値はあった。
ホラーとしては、主人公が体験する怪異と、彼が先任に知らされる怪異がほぼ同じなのは、手抜きじゃないかと思うくらい(´Д`)
読み終えてみれば、それにも必然性があったことが分かるのだが、島田荘司的本格ミステリーではあるものの、本格ミステリとしてはインパクトが弱い。
ホラーだからいい、というには、先に書いたのうに、ほとんど同じ話を2、3回読まされるのが退屈。
ミステリとしてもホラーもしても微妙な結果になってしまった。
ただ、本作はあくまでもホラーであり、ミステリー的なプロットやトリックはあくまでも盛り上げ要素に過ぎないのかも。
以下、ネタバレ
ミステリーとしては、先に「先任に聞かされる」ではなく「知らされる」と書いたのがポイント。ここにホラー的なトリックと、もう一つ、つまり2つの人物誤認トリックが仕掛けられている。もう一つのほうは、超古典的なもので、言われて見れば、何で気づかなかったのかというものだが、殺人もアリバイもないのてま、ついトリックがある可能性すら忘れさせられていた(^^;)