思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ゴジラVSメカゴジラ

いま、富野監督の絵コンテ演出論を読んでいるのだが、その目で見ると、カミシモの演出が面白かった。
一回戦ではゴジラがカミ(敵)、幕張でメカゴジラがカミなのだ。ただし、ドラマ的に、メカゴジラパイロットたちが悪に転換した意図は全くないのが問題。もちろん、映画全体としては、ベビーを囮にした時点で倫理的(?)に悪堕ちした、というのは分かるのだが……。その張本人たちが乗っているわけでもないメカゴジラが悪役に転じる、というのはわかりづらいのでは?普通の映画なら、これを目論んだGフォース首脳が巻き添えで死んだりするもんだが、本作では主要登場人物には何も関わらない。
『KOM』にも出てきた「ペット」云々が本作に出てきたのは完全に忘れていた(^_^;)

当時から悲しくなったが、改めて観ても、ラドンの羽ばたきは子供向け素人人形劇のレベル( ´Д`)ラドンの顔の造形は悪くないだけに残念。
逆に、ゴジラは尻尾の操演も、薩摩さんの演技も、アップ用の表情も、現在の目でも遜色ない。改めて、ゴジラの顔に筋肉をつけたのは平成シリーズの発明かつ特徴たよなぁ……。顔の表情の演技も、本作は突出している。尺も意外と長かった。特にラスト。
興行的に高嶋兄と、佐野量子が主人公になっているが、二人ぶんの要素を三枝未希にまとめるべきだった。最後には未希がメカゴジラに乗る訳だし、脚本の要素的には可能てしょ?
最後の未希の台詞で美しく終われていたのに、本作の主役なので入れざるを得なかった高嶋兄たちのカットが入ったことでぶち壊しになっている。
未希を主役にして再編集したら、90分くらいにもなって、2割増しくらい良くなるのでは?(^_^;)