思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ハッピー・デス・デイ』☆☆☆☆

タイトルだけ聞いた時は、女子高生が見るような映画だと思っていたので、絶対に観ないタイプの邦題だが、「シネマンション」で好評だったので期待してみた。ちなみに、原題も同じ。
ネタバレなしで言うなら、本作は女子大生の青春とホラーを同時に描いたもの。はっきり言ってリア充と言うか、感想によってはビッチなんて書いている主人公に共感はしづらいのだが、基本的にはあまり落ち込まずに、特に終盤に前向きと言うか、生命賛歌的にクライマックスになだれ込むところに好感が持てる。


以下、ネタバレ

本作は、要するにループもの。しかもある1日の終わりに、自分が殺されると、その日の朝、目覚めたところまで戻される。死んでリセットされる、と言う意味では『ジョジョの奇妙な冒険』4部のラストバトルと同じ状況だ。
ループを回避する方法が、自分が死ななければいい、というのがシンプルでわかりやすい。同時に、誰が自分を殺すのか、と言う犯人探しミステリーになっているのも上手い。
本作が秀逸なのが、大学のマスコットキャラの仮面をかぶっている殺人鬼が自分を殺すだけではない、と言うところ。特に、殺人鬼を殺して、めでたしめでたし、かと思いきや、またもや振り出しに戻ってしまうところ。

さらにネタバレ

殺人鬼を操っていた、真犯人がいたのだ。それがルームメイトだった、と言うのも意外で良いが、それが毒入り誕生日ケーキを捨てられたから、代わりに殺人鬼を放った、と言うのだ。ルームメイトの彼女が病院でインターンしている、というのも始めの1ターンめか2ターンめ(それ以後がは出てこないのも上手い)にしっかり出ているのも上手い構成だ。
欲を言えば、生命賛歌的なラストターン(と思わせる)では殺人鬼を倒すも、毒入りケーキでやり直し、その次のターンでケーキに気づいてルームメイトと揉み合いになる。擦ったもんだの末、彼女を突き落としてめでたしめでたしなのだが、どうせなら身長も負けている真犯人にやっぱり殺されて、次のターンが始まったら部屋に入るなりぶっ殺して終了、という方が観客としてはスカッとしたのだが・・・。

ただし、それはいうまでもないのだが、本作の解決でも、正当防衛が認められるかどうかはかなり微妙。いくら毒入りケーキが証拠としてあるとはいえ、陪審裁判だと過剰防衛という判決になりそうな気がする。

ただ、『10分間2018』を見た後では、タイムループものはもう見れない、というところはあるけどなぁ・・・。あちらが最高すぎて、あれを超えるタイムループものって有り得ないのでは? と思ってしまう。