思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『激マン!マジンガーZ編(3)』
☆☆☆★

うーん。やっぱりこのマンガ、作中作としてのリメイクマンガをなくせば、完全に☆☆☆☆なのに勿体ないなあ…。
なぜ『デビルマン編』の時は現実と作中作(マンガ)がしっかり同期していたのに、今回はできなくなったのだろう。それをすると、本来はこの3巻くらいまでリメイクマンガが入らないから、編集者がテコ入れのために、エッセイ(自伝)マンガにリメイクマンガを交互に挟み込む形式(浦沢直樹式のアレンジ?)に強要したのか?
リメイクマンガでは、見開きの1コマのみが唯一、迫力あるマジンガーZが感じられたのだが、後は別になくても良い。というこれはこれまでの感想と変わらず。
エッセイマンガパートは、敵メカのデザインを石川賢と共作してたとか、酒は(飲みたいけど)飲まないとか、ポピーがバンダイの子会社だったとか、興味深い話題が続出して面白すぎるのに…。


『MSVモデリングカタログ』
一時期、雑誌「モデルグラフィックス」では、旧MSVシリーズ、いわゆるモナカキットの改造についての特集が続いたことがあったが、本書はその集大成的な内容。
旧キットをポーズ変更だけで、どこまで格好良く見せられるか、という趣旨の「カタログ」である。カタログなので、制作記事は最小限で、そういう意味での、いわゆる模型雑誌的な作例制作記事はマインレイヤーのものただ1つ(4ページ)なので注意が必要。本書の趣旨を一歩進めたのが、本当に無改造のカタログ『機動戦士ガンダムUC HGUC モデリングカタログ』である。
とはいえ、本書を見る(まさに「読む」、というより「見る」)と、本当に旧キットの各パーツの形状の素晴らしが改めてよく分かる。この場合の良さ、とは、大河原デザインをストレートに立体化している、という意味で。
また、本書の全作例は岡プロが手がけており、タイトルに「岡プロの」と入れても良いくらい。まさに30を超える作例を仕上げた岡プロには「ご苦労さん」と言いたい。「モデルグラフィックス」の別冊は、雑誌の再掲載(まとめ)のくせに異常に高価なのが問題なのだが、本書に限っては、岡プロの作品集として考えれば、それほど高くはないと言えるだろう。逆に言えば、やっぱり他の雑誌転載本が高すぎる、という点では問題は解決していないのだが…。

MSVモデリングカタログ―1/144+αMSVモデリングカタログ―1/144+α
月刊モデルグラフィックス

大日本絵画 2010-02-25