『ダブル・ミステリ』
☆☆☆★
前から読んでも後ろから読んでもよく、真ん中に袋綴じ解決編がある、という構成。折原一も書いているが、あちらは本をひっくり返す必要があったのに対して、本作は本の後半を横書き(ネットのブログという体裁)にして、それを回避していることに注目。
読む前のガイドとして、前から読むほうが難易度が低い、とあるのが面白いところ。その理由は、読み終えてみても、よく分からないのがというのが正直なところだが、ミスディレクションの刷り込みが強くなるのかな?
前半の『月琴亭の殺人』は、典型的な嵐の山荘もの。半島で、そこへ通じる道が潮の満ち引きでふさがったが、車や服が濡れる嫌だから閉じ込められている、という石崎幸二ばりの呑気な理由が楽しい。
その構成を別にすれば、いろんな意味で『十角館の殺人』および綾辻直系のトリックといえる。それの言い訳というか、某証として戦前の探偵もの講談を出しているところが戦前の史実にも詳しい芦別拓らしい。
「裁判員裁判になって、証拠の重要性が増して有罪率が下がったと思いきや、検察は、求刑を引き下げることで有罪率を落とさないようにした」なんていう、弁護士が主人公のミステリーならではの豆知識も。
ダブル・ミステリ (月琴亭の殺人/ノンシリアル・キラー) 芦辺 拓 東京創元社 2016-12-21 |
『モデルグラフィックス 2013年 09月号』
☆☆☆☆
今月号がピットロードの新作1/700大和特集だというのに、それを買わずにこっちの中古で買うヴァタシ…(´д`)
Model Graphix (モデルグラフィックス) 2013年 09月号 [雑誌] 大日本絵画 2013-07-25 |
『HJメカニクス』
☆☆★
露骨にホビージャパン版『ガンダムホビーライフ』の柳の下の土壌企画である。巻頭にNAOKIが作例しているのも同様。また、製作途中写真(解説)があまりなく、完成写真が大きく、多いのも同じである。
そのEx-Sだけは素晴らしい完成度だが、買うほどではないなぁ…。
しかしNAOKIって、これで電撃、MG、HJの全てで作例を載せている三冠王。名実ともに、ガンプラのトップモデラーってことか(技術的には。ウェザリングが黒いのは直らないなぁ…。これは作風の好き嫌いってことかもしれないが)。
HJメカニクス (ホビージャパンMOOK 863) ホビージャパン 2018-05-18 |