思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『十一月に死んだ悪魔』
☆☆☆★

タイトルからも分かる通り、同じ作者による『六月六日生まれの天使』と対になる作品。このところ、美少女探偵ものでもなく、落語ミステリばかりだったので、一周回って初期の作風に帰って来てくれたのは嬉しい驚きだ。一周回って、というのは、『化身』のような初期の宗教あるいは生まれ変わりや記憶喪失のモチーフにエロチックな描写が濃厚になったから。エロチックな本格ミステリであるところは『収穫祭』などのちょっと前の西澤保彦に近い。
ダッチワイフについて、もうちょっと突っ込んで(メイントリックに絡めて)ほしかったなあ…。せっかく表紙にもなってるのに(^_^;)