『ウルチモ・トルッコ』しか読んだことがなかったのだが、意外としっかりした小説を書くなあ…と色モノだけじゃない、見直した、というのが第一印象。
ミステリとしては貫井徳郎に近い雰囲気だった。
アオリにある「技巧を尽くした」というのは、驚愕のトリックというものではなく、1アイデアを、小説としても成立するようにしっかり描いた、というのが適当なところだろうか。
おまけの短篇「シンリガクの実験」は、江戸川乱歩の名作「心理試験」のオマージュかと思いきや、あんまり関係ないようだ。これもどっかで見たような雰囲気なのだが…。西澤保彦??
五声のリチェルカーレ (創元推理文庫) 深水 黎一郎 東京創元社 2010-01-30 |