思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ガンダムX(7)

第7話「ガンダム、売るよ」

爆発の衝撃波が迫る中、ジャミルがサテライト・キャノンを推進力として使うことを提案する。ここで月が出るのはちょっと都合良すぎる気もするが、サテライト・キャノンの色々な使い方を見せる、という発想そのものは悪くない。

ジャミルが負傷し、手術が必要というテクスの見立て。手術前にフリーデンを移動させるという提案に「賢明だな」というテクスの返答。いちいち渋いぞ!テクス!

ガロードをビンタすること自体は正しい行為なのだが、それをサラがする、というのはいかがなものか…。ジャミルに振り向いてもらえないから苛ついている、ただのわがまま女にしか見えない。もしかしてそれが演出の狙いなのか?普段静かなシンゴがビンタするならまだ妥当だと見えるのだが…。

エニルのシャワーシーンを覗きに来たのは相棒(仲間)のザコット。GXを逃がしたことについての弁明だが、シャンペンでの乾杯(?)の後に、エニルがベッドで酒を呑んでいるカットのバックにシャワーの音が入っている、ということはザコットとエニルは男女の関係があった、ということか…。大人にしか分からないニクイ演出だ。今回初めて気づいたのだが。

大人たちの会話を盗み聞きして脱走する、というのは初代のアムロの行動を踏まえたオマージュだろうか。

街のジャンク屋に修理を頼んでいたロアビィ。ジャンク屋がガンダムと一緒に写真を撮る、というシーンでは、この世界におけるガンダムの地位がどういうものかを示す巧いエピソード。その直後にガロードとGXが来る、というのも面白い。ただ、GXを見せるのはシルエットが既に出ている訳だから、もっと素早くパンアップしたほうがテンポが良かったのだが…。「情報屋を呼んで」というあたりの地味な描写もいい。ここでのガロードの台詞が「ガンダム、売るよ!」

ガンダムを売る場面では、ガロードが爆弾を仕掛けているあたりがニクイ。客を煽るガロードのノリも面白い。転んでもタダでは起きない陽性のキャラが「GX」最大の魅力といえるだろう。さらにニクイのがGコンを別売りにしたこと。そこへエニルが滑り込みで落札してしまう。

ウィッツの隠し金塊が見つかってしまう。わざわざMSのマニピュレーターで金塊をかき集めるというのは、ギャング映画のパロディか。ただ、たった3機のMSをガンダムが破壊できない、というのはガンダムの特異性という意味でどうだろうか。ラストでザコット一味がファイアーワラビーで火攻めにする戦法にしても、レオパルドならともかく、飛行できるエアマスター(そういえばこの呼称はまだ劇中では登場していないのだ…)にそれはどう考えても通用しない。

エニルは街のバーでガロードを「私たち、どう見えるかしら?」と誘惑。仕上げはガロードに寝室に入ってくる。どう見ても色仕掛けでガンダムをもらおうとしているお姉さんの図、なのだが…。