第9話「巷に雨の降るごとく」
GXとエアマスター、レオパルドVSアシュタロン、ヴァサーゴ、そしてザコット一味が炎の森で戦う。復活したジャミルは、ティファの予言通り、湖へ逃げ込もうとするサラの作戦を変更させようとする。
帰ってきたガロードの動機をズバリと言い当てるトニア。実はトニアは全編通してかなり鋭い洞察を見せるキャラなのだ。今話でもラストでサラの口紅が変わったことを見抜くし。なにより三石琴乃は高い声で明るいキャラを演じるほうが良いと思う。気持ち良く耳に入るし。
湖で待ち受けていたのはザコット。水の上に立っている(しかも後ろ向き)と見せかけて潜水艦の艦橋だった、というキザな演出はなんだ?(今話は水上に浮かぶGXなど、ケレン味あるポーズが多い。原画マンの趣味なのか、作画監督の西村誠芳氏の性格なのか)一箇所だけ逃走経路を空けておいて敵を追いこむ、というのは戦術の常套手段。サラはまんまとひっかかった、というわけだ。
フロスト兄弟がザコット一味に手こずることによって、単にウィッツやロアビィが弱いのではなく、ザコット一味のほうがなかなかの手練れ揃いだったことが分かるように演出されていることに注意だ。
ザコットが砲撃によってフリーデンを火攻めにするのだが、湖が水ではなく何だったのか、結局分からず仕舞い。湖のほうではなく、砲弾のほうが特殊だったのか???
GXに狙いを付けるエニル。「坊や」という台詞でようやく気づいたが、エニルはハモンの役回りだったのだ。ランバ・ラル役のフロスト兄弟とは別に行動していたから気づかなかった。
ジャミルは絶体絶命の状況からの起死回生として、ガロードに秘策を指示する。サテライト・システムの照準レーザーを湖上で受けた後の、マイクロウェーブが来るまでの4秒間に湖の外まで急速離脱し、マイクロウェーブによって水蒸気爆発を起こし(電子レンジの原理か)、ザコットを艦ごと吹っ飛ばそう、というのだ。これまで4発撃ったうち、まともに撃ったのは2回だけで、後の2回は応用編だ、というのも凄い。
その後に降ってきた雨に、テクスが「巷に雨の降るごとく、我が心にも、雨ぞ降る」という詩をつぶやく。これは恵みの雨じゃなくて水蒸気爆発による上昇気流で発生した雨だよなぁ…。ジャミルは森林火災を消すために、ここまで計算してこの作戦を考えたのだろうか…?
「時に戦後15年」で始まり「少年は少年であることを選び、少女は人間の心を取り戻し始めた」というエンディングナレーションも良い。