思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

「デカレンジャー」

第41話「トリック・ルーム」

センちゃんの回はミステリー仕立て。アリエナイザー・ジンギが人間たちを“消す”謎を解く。

結論から言うとドッチラケ。穴だらけというより、ミステリーという形にすらなっていない。

1)証拠がなくて捕まえられなかったのに、何故ジャッジメントできて、なおかつ死刑なのか。

2)消される対象物の条件が判明するのと「謎が解けた」というのは全く違う。

3)センちゃんはそもそも技を受けてるんだから、どんな技かは推理するまでもないやん?結局「解けた謎」というのは効果対称と効果半径だけやし。

4)ジンギもジンギで、自分の技の特性を知っているんだから、デカレンジャーに対しては、もっと接近している時に技を使うはず。

5)SPライセンスって簡単に補充が効くもんなん?せっかく変身機能が壊れたんだから、今回はセンちゃんなしで倒せば良かったのに。テツというデカレンジャーロボの補充要因(?)がいるんだからさぁ〜。

6)ジンギの罪状は連続殺人ということだが、(現実の)殺人事件は死体が発見されないと成立しない。センちゃんだけ監禁罪が適用されるだろうけど。異次元で殺したというなら、なぜセンちゃんだけは殺さなかったのか、という理由も全くない。全員監禁の罪で死刑にまではならないか、センちゃんも異次元で死んでいないことには整合性が取れない。ナンセンス!

今回唯一良かったのは、センちゃんが想像の世界でバンの情報から現場を構築するシーン。フィックスとはいえ、何もない空間に部屋の家具が順番に出現するシーンは実にドキドキした。

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考えすぎだが、毎回毎回こんな滅茶苦茶な捜査・逮捕・司法・死刑執行を子供向け番組でやっていたら、
「悪そうな人間は証拠不十分でも、情状酌量もなしで、犯行を悔いているかどうかも関係なく、即死刑」
という司法制度を軽視した妄念がはびこる元凶になると思う。
結論。「デカレンジャー」は教育上よろしくない。
最大の問題は裁判という過程が完全に抜けていること。
それがないなら刑の執行などすべきではない。
刑事ということを重視するならば逮捕までに止めておくべきだ。
そのあたりがちゃんとできないなら、例年通り“正義のチーム”にしておきなさい!
(この正義は悪い揶揄の意味で使ってます)