思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

天使のたまご 再

☆

まじめに観たのは久しぶり?
これまでは私のほうから「作品に描かれていることは何か?」「メタファーを理解するための知識は?」と歩み寄ろうとしていたが、辞めた(^^;)
作品に描かれていることが全てであり、理解されない客にそれを強要する(いや、そんなのしてないけどね)なんて、洗脳じやないか。
まず、アニメとしての面白さがなさすぎる。8割くらいが、背景だけで、少しカメラをズームしたりしてるだけ。
絵柄も、『ファイナル・ファンタジー』とかで天野喜孝ファンなら喜ぶのかもしれないが、私はむしろ嫌いなくらいなので、ダメ。
声優も、ヒロインは兵藤まこ、ヒーローは根津甚八。どちらも、悪くはないが、キャッチーさというか、アニメファンへのブック(萌え?)にはなり得ない。というか、ヒーローは、あのキャラなら塩沢兼人速水奨やろ!?
作中で、聖書の引用セリフが入るので、キリスト教モチーフであることは分かるようにはなっていて、全編暗喩だけでできている映画である。説明がほぼ皆無だからね。それを、キリスト教に知識も理解もない人に勉強しろ、というのは傲岸不遜というもの。
ここは、すぐわかるお式に、画面に映っているものだけで判断することにする。
プロットだけで言えば、廃墟で「たまご」なるものを大事に、ひとりで暮らしていた少女。その元にやってきた成年が、たまごを壊したら、少女は身投げした。それだけだ。
たまごは卵巣のメタファーであり、児童ポルノ的に、少女をレイプした、という話にしか受け取れないのだ。いや、私も今回、虚心坦懐に解釈してみて驚いたやら、呆れたやら(´Д`)
そもそも、最初青年に会った際には「着いて来るな」と言ってたのに、わずか数時間かそこらで、何も劇的なことは起こってないのに、「行っちゃダメ」とるプロット上の論理性がないのである。
普通に見ていて、明らかにおかしいセリフが、「卵は割ってみなければ、中に何が入っているか分からない」だ。割っても黄身と白身があるだけ。「孵ってみなければ何の卵か分からない」でしょ?(´Д`)
少女がせっせと水を運んでいるのは、男を迎え入れる為にアソコを濡らすことであり、割ってみないと、というのはオンナになったらどうなる? という意味か。
結局この話は、オトナになりたかった少女が、結局コトをなしても、何も変わらず、初体験の男はやり逃げしていたことに絶望する、という話やん。