思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

鉄男 THE BULET MAN

☆☆★

これも未成年時に、レンタルビデオの予告編か何かは観たことがある。
観てみたら、こんな映画だったっけ? と思って調べたら、シリーズ化されてたのね。
塚本監督のことだから、多分相当低予算だと思うが、それを感じさせないように頑張っていることが分かるルック。ギリギリまでモノクロに寄せた色調なのだ。
変身する時の、水が飛び散るイメージカットが長すぎるとか、アクションシーンで過剰にカメラを揺らすとか、しょうがないのかなと思いつつ、個人的には、演出よりも、物語で語ってほしい部分。
母と妻は日本人だが、主人公が白人だとか、セリフはほとんど英語だとか、なかなかに格好つけてるというべきか、世界を見据えているというべきか。
敵役として出演している塚本監督だが、お笑い芸人(?)マギーに見えてしかたなかった(^^;)
怒りで変身するとか、表層的には、やってることは特撮ヒーローものと全く変わらない。ことに平成以降の仮面ライダーとか。あとはその影響大の『Gガンダム』とかね。
変身した主人公のデザインが、グロともスチームパンク的に格好いいとも言えない、中途半端なデザインなのが私的には致命的に面白くない要素。

以下ネタバレ

マギーじゃない塚本監督を取り込んだというオチは、ラストカットで崩壊の兆候でもあれば理解できるが、特になかったのはなんだかなぁ。
また、主人公の母が死んだ時に、人造人間として生き返らせる、というのもハイパーテクノロジー過ぎる。そんなことが可能なら、世界は全く違う要素を呈しているはず。本作がSFとして評価・分類できない所以だ。
そこは百歩譲るとしても、人造人間と半分機械人間の子供って……。まるで『ファイブスター物語』の、ファティマと超帝国の騎士との子供みたいな飛躍だ。