思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

デッドマン・ダウン


☆☆☆★

YouTube公式公開。マフィアものの一種。原題も同じ。
ドラゴン・タトゥーの女』の監督の処女作らしく、舞台はノルウェー。喋っている言語も、英語、フランス語、スペイン語といろいろ。
ながら観なのでよく分かってないところもあるが、どうやら主人公は警察で、マフィアに潜入捜査をしているらしい。その前に妻子を殺され、彼じしんも死んだと思われていることかは、このタイトルになっている。リベンジものだ。
借りているアパートで、マフィアの一人を殺したところを、道を隔てた隣のアパートの女に目撃され、脅迫として、彼女の車に交通事故を加害した男を殺すように迫る。彼女は交通事故で、顔に傷跡が残ってしまったのだ。
この女の人、前に観たような顔なのだが、ググっても女優としての出演作は出てこない。調べ方間違ったかな??
主人公は、殺人が自分の仕業だとバレるサスペンス、潜入捜査がバレるサスペンス、復讐相手を殺す(警察のクセに逮捕じゃないところが本作のリアリティレベルを象徴している)サスペンスなど、いろいろ仕掛けられている。それと、隣人とのラブロマンス要素。
マフィアのボスの弟を監禁して、動画を送りつけたり、最後の動画のあるメモリカードを隣人が送らなかったことで計画が狂うとか、それが最後にマフィアたちの目に止まることで、事態が動くとか、実は脚本的には地味ながらよく構成されている。いや、いま感想文書くまで意識化できなかったんだけど(^^;)
クライマックスの銃撃戦も、アサルトライフル(どっから調達したんだ?)をぶっ放したり、階段やその吹き抜けを使った上下動のアクションなど、けっこうしっかり見せ場がある。
フード演出も、料理を作るのは彼女の母親だが、最初はクッキーをタッパーに入れて渡し、次にはちゃんとしたおかずで、それをちゃんと皿に出してナイフとフォークで食べ、空の容器を返しに行くなど、しっかりできている。
かように、よくできていて、後に『ドラゴン・タトゥーの女』を作るのも納得。ただし、全体的に地味すぎるのは、スターまたはそれに類する魅力的な俳優が出ていないからなのか……。