思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

Fwd: 続 大阪弁のある風景


三田純市
☆☆☆☆
東方出版

1ページにひとつ、大阪弁(言葉)を紹介している。それでいて2巻めなのだから、いかに大阪ならではの言葉が多様なのかに驚かされる。
大正生まれの著者が触れてきた大阪弁と、昭和末期に神戸の山の中で生まれ、母親は関東人であるわたしとは、環境が全然違う。いかに漫才や枝雀落語を聴いているとはいえ、ほとんど知らない言葉ばかり。
なお、言葉によってはあまり関係ない近況またはエッセイになっているのはご愛嬌。

「食いもののまずいことを「もむない」(略)「あじない」も、これと同じ意味である。」

「ざこばは魚市場。かつては西区のうつぼ一一今の京町堀三丁目に大阪市民の食膳に上る魚を扱う魚市場があった。(略)「ざこば」は昭和6年中央市場に併合された。」

「「しっかりせんかいな」
「そんなこと言うかいな」
「オイ、ええかいな」
などなど、日常会話にはしばしばこの「かいな」が登場する。ところが、それぞれの「かいな」の用法が違うのである。
「しっかりせんかいな」は「しっかりしろ」という意志をあらわし「そんなこと言うかいな」は(略)否定の形だ。(略)「オイ、ええかいな」は「大丈夫かい」といえ疑問の形(略)「かいな」のナをとって「しっかりせんかい」となると、意味が一段と強まる。」


大阪弁では「ずず」なのである。 漢字で書けば数珠だからズズもジャズもどちらも間違いで、ズジュが正しいということになる。」
確かに言われてみれば。そういえば秋葉原がアキバハラでないのと同じパターンやわ。

「「すみません。仕事がテッパってましたので」(略)「てっぱる」は、二つの要件が重なること。」
これ、なまって現在の「テンパる」になってないかなぁ。誤用が広まったのかも。ワンチャンと似てる。

「ヤセッポチを大阪弁では「やせぎす」という。(略)ヤセギスのギスは魚のキスのことである(略)キスはやせている。」
ちょいちょい、小説で出てくるが、とんとイメージできなかった。大阪弁やったんか。

「すまんだ」が隅っこの意味だと分かった。枝雀落語『阿弥陀池』で、「すまんだっていう一杯飲み屋」が何なのかずっと気になってたのだ。