☆☆☆
戦時中から現在まで、いつ作られてもおかしくないタイプの作品なので、調べないとわからない。山本五十六役の丹波哲郎が白髪だったりするのが手がかりかな。
主人公は顔はそれなりに男らしい面構えではあるが、セリフが下手(´Д`) 逆にヒロインの早見優は、演技は微妙だが、声がいい。低音がね。
なんといっても零戦! 作中では「れいせん」と言ってた場面もあったが、「ぜろせん」がほとんど。
まずは冒頭で、実物大の零戦が5、6機駐機しているのに驚く。風防も閉まるし、プロペラま回る。でも、回転中に軸がブレてるのはめちゃ気になったけどね(´Д`) 映画のための実物大プロッブかな。飛行前のアイドリングや、レバーの飛行前点検がちゃんと描かれているのは、『コトブキ飛行隊』(これも、もちろん制作年代は後)以来の勉強になるポイント。
分かりづらいのだが、冒頭が真珠湾か東南アジアへの開戦シーンで、そこから開発中の過去へ飛び、中盤で冒頭を追い越して、沖縄の大和特攻まで至る。
開発中のシーンでは、デアゴスティーニか!?(いやもちろんそのだいぶ前なのは分かってるけど、見た目が)という塗装前の全身銀色の零戦が見られるのは面白い。でも、零戦は、動翼は羽布じゃなかったっけ?? 将校が脱走しかけの訓練兵に、開発中の新兵器(零戦)を見せて説明する、という現実にはあり得ない、映画的な説明シーンだ。
滑走路から飛び立つカットからはミニチュア。ふわりと浮かぶ感じは、やはり『コトブキ飛行隊』に軍配が上がることは言うまでもない。飛行時のエルロンやラダーも、もちろん可動しないしね。とは言え、マニア以外は普通に楽しめるあたりは、川北紘一特技監督だとエンドクレジットで見て納得。
人間ドラマとしては、早見優をめぐる三角関係だが、取り合いてまはなく、お互いに譲り合うあたりが、戦中派のドラマらしいところ。
序盤の予科練かなにかの訓練シーンなどに、いかにも80年代的なシンセリズムの曲がかかるのが戦争映画らしくないなぁ……とへきえきしていたのだが、後半は戦争映画らしい重厚な感じに。音楽は伊福部なんとかという女性なのだが、初めて見た名前。伊福部昭御大の娘さんとか??
以下ネタバレ
ラストには、死んだ主人公の零戦を、手向として燃料を撒いて火をつける。本当にタイトルにいつわりなしで、零戦が燃えて終わる(^^;)わかりやすい!(^^;)