思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

猛獣大脱走


☆☆

動物園の動物たちが脱走して市民を襲うというケーブルテレビの紹介文からは、モンスターパニックものの小品かな、と思ったら、色んな意味で裏切られた。
動物が人間を襲うシーンは、当然、見どころのひとつ。動物のアップとのカットバック(モンタージュってやつ?)が多いのはCGのない時代ではこれしかない手法だが、人形を使ったらしい倒れている人間に噛みつくカットなんかは、顔を映さないことで、本物っぽく見える。頑張りが成功している部分だ。
町中を本物のデカい動物たちがのそのそ歩き回るのは、多分低予算だし、セットではなく本物であろう。いくら夜とはいえ、ある意味、なかなかのスペクタクルというか、非日常的(イコール映画的)ビジュアルである。
動物が街の物をを壊すだけだなく、動物どうしが噛み合うシーンもあり、今では動物園愛護団体に配慮したらとても作れないやうな映画である。
演出が冗長なのが難点だが、ネタバレコーナーで述べるラストは、変わっている。まじめに最初から最後まで観るのは大変なので、ながら観ていどでちょうどいいかもしれない。

以下ネタバレ

主人公の娘の奇行は、B級映画ならではの賑やかしかと思ったら、ラストへの伏線(といえるのかなぁ……(´Д`))だった。
動物の暴走は、水に混入された薬物の影響であり、それは子供にも及んでいた(一部早送りしたので見逃したかもしれないが、動物園で水遊びしたりするシーンがあったのかも)。
幼稚園かどこかに預けられていた子供が、狂って、大人(幼稚園の人?)を殺して、その魔の手は迎えにきた主人公にも及ぶところでエンドロール。なんか実際の事件のようなテロップが出るのだが、ホントかなぁ……。これも含めてフィクションにしか思えないけど、果たして……。
ちなみに、ラストの狂った子供たちは、大人は殺したが、何故か子供同士は殺しあわない。動物同士は共食いしてたりしたのに(別種族だけど)。広い意味では『食人族』と同じ悪趣味ジャンル映画なので、そんな理屈を求めるだけ無駄なんだろうが。