思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

平田淳『相性不問、熱血不要 育てる技術』

「客と世間話をしたり、そこから客の個別のニーズを掘り起こせるようになるには、それなりに時間がかかる。いきなり、それを部下に求めてはいけない。
 あなたが、部下に教えるべきは、誰がやっても同じような結果が出せる方法である。」

「行動科学マネジメントでは、「一度に教えることは3つまで」と考える。その3つができてから次の3つを教えるようにすると確実に身につくことがわかっている。」

「フィードバックをもらえないのは、部下からすれば「無視された」ことになる。それは、あなたが忙しいかどうかとはまったく関係がない。どれほど忙しかろうと、部下へのフィードバックを欠かしてはならない。
 とにかく、部下がいい行動をとったら、すかさず褒めることだ。」

「たとえ部下がミスをしたためにクレームになったのだとしても、それを報告したという行動はよい。ミスにつながった悪い行動と、報告したというよい行動を混同してはいけない。
 重要なのは、どんな悪いことがあっても、それを一刻も早くあなたに報告させるということだ。」

「できるかぎり、累積グラフで成長を促してあげよう。(略)それによって、部下は自分が成長している様子と、向かうべき到達点を正しく認識することができる。」

「部下を指導するのに威圧的な態度も必要ない。経験豊かな先輩として接すればいい。」


創価学会と平和主義』
☆☆★

いわゆる集団的自衛権閣議決定に伴う公明党の立ち回りを主眼に、公明党創価学会の歴史的立ち位置を書いたもの。
著者はキリスト教プロテスタントを公言しており、雑誌「潮」に寄稿したりはしていても、密かに改修したりしていない限り、特に利害関係はない。
元外交官だけあってプラグマティックに創価学会の世界に与えるを分析している。
とはいえ、創価学会がなぜ世界中に数百万に信者を獲得しているのか、は本書を読んでもさっぱり分からない。池田大作のカリスマ性らしきことは書かれているが…。

昭和37年の池田大作の選挙違反容疑での逮捕事件についても、最終的に無罪になったせいか、著者自身も権力による逮捕を経験している同情から、ということもないだろうが、これまた表面的な解説に終始している。

「10センチの定規を思い浮かべてほしい。5センチの目盛りが、政治的に中道だとしよう。(略)日本の政党は、5センチの目盛りよりも右に集中している様子が見えるだろう。」
とあるが、私に言わせれば、自民党がかろうじて真ん中左右に広がっているだけで、それより右にあるのは次世代の党だけだよ。

「(創価学会公式サイト)
しかし、明確な教義、経典は示されていない。
創価学会は、日蓮正宗の信者団体として出発したわけだから、教義については宗門に委ねていた。しかし、1990年の宗門との訣別を境に、宗教団体として独自の教義形成を迫られているはずだ。」
とあるくらいで、結局どんな教義ゆえに信者が増えるのかさっぱり分からない。