思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ディレクターズ・カット』
☆☆☆☆

サイコパスによる連続殺人と、画を売るためならなんでもやるテレビ屋の実情。『壺中の天国』と『ナイトクローラー』を貫井徳郎が書いたような感じ。だが、登場人物たちの自己中的な心情と言動は歌野らしい、胸くそ悪いもの(^_^;)
終盤へのエスカレートは『ナイトクローラー』と同じだが、最後に至って、大きなドンデン返しが仕掛けられていたことが明るみに。
ただし、これは読み返して分かるタイプであって、初読では、伏線の存在すら気づかないタイプのトリック。
とはいえ、ドンデン返し好きなら楽しめる。ただし、上に挙げた作品同様に、読後感は良くないけどね。

ディレクターズ・カットディレクターズ・カット
歌野 晶午

幻冬舎 2017-09-07