『祝福王（1）』たかもちげん
☆☆★
呉智英絶賛、宮崎哲弥おすすめのマンガということで読んでみる。
内容的には貫井徳郎『灰色の虹』と同じく、新興宗教が出来る話（あくまでも１巻の時点で）。
Ｂ級漫画雑誌調というか、絵がヘタなのが気になるが、物語じたいはなかなかないタイプ。連載ではまず読み続けられないと思うが、単行本での一気読みなら行けそうだ。（もうまとめ買いしちゃってるし…）
３巻まではちょっとやっちゃったかな…という感じだったが、ここへ来てなかなか面白くなってきた。
戦隊ものからウルトラマンへの路線変更だ。『バトルサンダー』は絵がアレだったが、今回はウルトラマン（作中ではアヴァターマン）のデザインはともかく、怪獣がいい。バルタン星人とゼットンを混ぜたような感じで。このあたりは単純にアシスタントの違いなのか（島本先生じしんが描いてる？）、石ノ森章太郎テイストからの脱皮が良いほうに作用しているのか…。でも、キャラのデザインは昔のタッチの方が断然好きなんだけどね。
島本先生は昔、北斗の拳などの悪役が嫌な奴として出てくるのが、自分には出来ない演出と言ってたが、悪じゃなく普通に嫌なやつ（本作で言えばブソウ）ならいいの？と言いたくなる。
また、パロディ好きとしてはどっからどう見てもウルトラマンなのに、作中で一言も言及がないのも隔靴掻痒だ。ま、世界観としてヒーロー番組が存在しない世界なのかもしれないが、それならあとがきででも…。
ちなみに、あとがきのない単行本って、先生の愛着が薄いんじゃないかと疑ってしまうよねぇ…。実際のところは単なる編集部の都合なのかもしれないけど。
