思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『浜村渚の計算ノート(7)』
☆☆☆

私的には、ストーリー部分は流し読みで、数学蘊蓄/クイズ部分だけ普通に読めば十分楽しめる。
なお、全体としては小学校高学年くらいの人が読むラノベとしては実に面白そうに出来ている(『ズッコケ三人組』とか名前うろ覚えの『大泥棒ホッテンフロッツ』とか楽しんでいたのを思い出すなぁ…)ので誤解なきよう。

数学雑学としては、マイナスにマイナスを足す数直線と、かける場合の数直線の動きが違う、という解説が素晴らしい。マイナスをかける場合は、数直線を移動するのではなく、0を起点に反転するのだ。ただし、これでも作中で触れられる虚数に関しては説明できないのだが…や

「1たす1は2になる(略)“1”っていう自然数があって、自然数にはそれぞれ決まった後者がいて、1の後者である自然数を“2”と決めたんだ』っていうのが正しい説明」


今回の作者からの宿題は、刀の回転半径と、エピローグの町の名前。前者は、円ではなく三角になるところまでは理解できるのだが…。町の名前のほうは、記号をひらがなとかに見立てるんだと予想はつくのだが…。


シン・ゴジラ
☆☆☆☆

劇場公開以来に見て見ると、時間経過が意外と早いなぁ…という感覚。
内容自体は、タバ作戦は何回見ても燃える。それ以外は会議が多いとか、ラストが盛り上がらないとか…。
特典は、『ガメラ3』のLDボックスなんかもそうだったが、素材を列挙するだけ、というのは資料価値以外の要素がない。『新エヴァ』もそうだけど、完全網羅するのではなく、薄めのファンも楽しめるように編集(解説含む)してほしい。
その好例が『ロード・オブ・ザ・リング』の特別編のメイキング。2枚組み(本編もそうだが、メインキングだけで)なのに、普通に流して見ても飽きない。解説や、インタビューをバランスよく配しているからだろう。
そう、この3枚組みには特撮関係のインタビューの類が一切ないのだ。メイキングに当時のビデオ録画は写っているのだが…。意外と庵野総監督が現場にいたのに驚き。
メイキングで言えば、アニマトロニクスが作られ、撮影もされていた事実は興味深い。まあ、ネタ的には『ゴジラVSビオランテ』でクレイモデルのストップモーションが撮影されていたのと同レベルのマニアックさなのだが。

シン・ゴジラ Blu-ray特別版3枚組シン・ゴジラ Blu-ray特別版3枚組

東宝 2017-03-22