思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『逆説の日本史(22)』

「各藩は新政府に忠誠を誓ってはいたが、法的根拠はあるわけではなく天皇の権威には逆らわない、というだけだ。しかも、各藩の内政には干渉できなかったし、そうする権限もなかった。
 藩はあくまで「独立国」あるいは「自治区」であるからだ。」

「「藩」という言葉は(略)正式名称ではなかった。
 薩摩は島津家であり長州は毛利家(略)それが「藩」という中国語で呼ばれるのが一般化したのは(略)明治になって初めて」

「1円金貨は金と銅の比率が9対1で(略)これは当時の1アメリカドルの金価格にほぼ匹敵していた。つまり、1ドル=1円ということである。」

「東アジアの中で、いや世界の中で、古代日本はレンガ工法を使わない、おそらく唯一の国だったのである。(略)レンガ造りは地震に極めて弱かったのだ。だから、われわれの先祖はレンガ工法を取り入れなかったのである。」

「「征朝論」ではなく「征韓論」になったのは、そもそも「三韓征伐」が起源だからだ。」

「戦国時代から江戸時代初期にかけて、日朝関係は最悪だった。その理由は言うまでもなく豊臣秀吉の侵略にある。(略)それがなぜ徳川家康の関係改善の申し入れに耳を傾けたのか。それは「徳川家が豊臣家を滅ぼしてくれたから」である。だからこそ(略)徳川将軍家が代替わりするたびに、通信使を送って慶賀して来たのである。」

「朝鮮国よ、君の「御主人様の国」清国は、日清修好条規と言う国と国との約束において、日本国天皇を対等の元首として認めた。君の国も一刻も早くそうすべきだ。拒否する理由は失われた」ということなのである。」

「「お肉はそれを処理する人が丹精を込めてしてくれたのだからおろそかにしてはいけないよ」とは決して言わない。
 新鮮な肉とは、実は「殺し立て」ですぐに「血抜き」をしたものである。そういう処理をしなければ美味しい肉には慣れたない。そういうことをしてくれる人の努力があってこそ、美味しい肉が頂ける」

「戦意高揚のための「国民歌謡」の歌詞を全国から公募した。しかし応募作の中には朝日の意に沿うような作品がなかったのだろう。結局朝日新聞社の作品を当選作としてプロの作曲家に作曲を依頼して完成したのが「満州行進曲」である。」

オオクニヌシは通説でも多くの別名を持っている、「オオモノヌシ」とか「オオナムチ」である。これも、ちょうど徳川将軍に綱吉や吉宗がいたのと同じことだと考えれば合理的に説明できる。」

逆説の日本史 22 明治維新編: 西南戦争と大久保暗殺の謎逆説の日本史 22 明治維新編: 西南戦争と大久保暗殺の謎
井沢 元彦

小学館 2016-07-28